【体験記】Cloudflareを理解したくて始めたら、2日後に50ページの”教科書”を公開していた話

AI活用

みなさん、Cloudflareって知っていますか?

かく言う僕も使い始めて1年ほどなのですが、これがあまりにすごいサービスで、しかも進化が止まらない。「この辺で一度しっかり理解しよう」と思い立ったのが、すべての始まりでした。

ある統計によると、世界のWebトラフィックの約2割はCloudflareを通過しているそうです。つまりみなさん、知っていようがいまいが、今日もどこかで必ずCloudflareを通っています。

🔍 Kay’s Check:似た数字に「全Webサイトの約2割が利用」という調査(W3Techs等)もありますが、これは別の統計です。Cloudflare自身が公表しているのは「Webトラフィックの約20%を処理」の方。どちらにしても化け物です。

かく言う、いまご覧いただいているこのブログもそのひとつ。kaylog.io は自宅のSynology NASで動かしていて、Cloudflareを通して配信しています。ポート開放なしの安全な公開も、サイトの高速化も、ぜんぶCloudflareのおかげ。つまり僕は毎日お世話になっている身なのです。

で、しっかり理解しようと、まず教材を探しました。

誤解のないように言うと、教材自体はちゃんとあるんです。Cloudflare公式のラーニングセンターは日本語で読めて内容も充実していますし、開発者向けドキュメントは膨大。個別の設定を解説してくれるブログ記事もたくさんあります。

ただ、どれも「僕の学び方」には合いませんでした。ラーニングセンターは用語ごとの辞典型で、どの順番で読めばいいのか分からない。公式ドキュメントはリファレンスであって教科書ではない。ブログ記事は断片的。僕が欲しいのは、一段ずつ登っていける”一本道の教科書”で、しかも実践は自分の環境(NASとWordPress)に引きつけて確かめたい。……そんな都合のいい教材、世界のどこにもありません。

そこで、ふと思ってしまったのです。

合う教材が無いなら、自分で作ればいいのでは?

……気づいたら2日後、9章・全50ページ、総文字数にして約23万字——新書2冊分の「Cloudflare完全ガイド」を公開していました。

Cloudflare完全ガイド|入門から実践まで

もちろん、僕が2日で50ページ書けるわけがありません。相棒はClaude Code。この記事はその顛末と、作りながら確信した「AI時代の学び方」の話です。

教材がないなら、自分専用に作ってしまう

世の中に自分に合う教材が無いとき、これまでの選択肢は2つでした。諦めるか、英語のドキュメントと格闘するか。

でも今は3つ目の選択肢があります。「学びたいことを、自分で自分のためにメディア化する」です。

僕の学び方の好みははっきりしています。基礎から順番に積み上げたい。1ページ1テーマで消化したい。文章だけじゃなく図で理解したい。そして実践パートは、自分の環境(Synology NASとWordPress)に引きつけて確かめたい。この条件をぜんぶ満たす教材は世界のどこにもありません。当たり前です、僕専用なんだから。

だったら、その「僕専用の教科書」をAIと一緒に作ってしまえばいい。しかもブログとして公開する形にすれば、同じ悩みを持つ誰かの教材にもなる。自分の学習がそのまま発信になる。一石二鳥どころの話ではありません。

そして、これは作ってみて分かったことですが——教科書は、読むより作るほうが圧倒的に頭に入ります。AIが書いてきた原稿をレビューするには、自分が理解していないといけない。「この説明で初心者に伝わるか?」と考えることは、結局その概念を自分の中で再構築することなんですよね。50ページ分のレビューは、50ページ分の授業でした。

仕組み:AIを「編集部」として雇う

とはいえ、AIに「Cloudflareの教科書50ページ書いて」と一言投げて出てくるほど甘くはありません。今回の核心は、執筆だけでなく進捗管理までAIに任せる仕組みを作ったことでした。

用意したのは2つのファイル。文体・図解スタイル・作業手順まで全ルールを書いた「ルールブック(CLAUDE.md)」と、全50ページのタイトルと状態(未着手/下書き/公開済み)を一覧化した「マスタープラン」です。Claude Codeはセッションのたびにこの2つを読み、現在地を自分で把握します。

すると何が起きるか。僕の指示は「次のページを作って」——たったこれだけで、Claudeが進捗表から次のページを判断し、Cloudflareの公式ドキュメントを検索して最新情報を確認し、本文を書き、統一スタイルの図をSVGで描き、WordPressに投稿し、進捗表を更新してコミットするところまで、ぜんぶ一人で(一AIで?)回してくれます。

図解の統一感は、最初に見本を1枚だけ丁寧に作り込んで「これに完全に合わせること」とルール化することで担保しました。50ページ分の図が、どれを見ても同じガイドの図に見えるのはこの仕掛けのおかげです。

WordPressへの投稿の自動化には、ひとつこだわった安全設計がありました。スクリプトは絶対に「下書き」でしか投稿できない仕様にして、公開ボタンは管理画面で目視確認した僕だけが押す。AIに公開権限は渡さない——という美しい理念だったのですが、3ページ運用した時点で、下書き確認からの本文修正が一度も発生しませんでした。毎回「開く→眺める→公開を押す」だけの儀式と化していたので、あっさり方針転換(笑)。公開まで自動化しました(ただし明示的に指定したときだけ。既定は今も下書きです)。

僕の役割が「公開前にチェックする人」から「公開後に気づいたら直す人」へ変わった瞬間です。安全装置はまずガチガチに作り、実績を見ながら段階的に緩める。逆の順番(緩く始めて事故ってから締める)よりずっと健全な進め方だったと思います。

Kay’s Voice:もちろん、ここまで仕組みが固まるまでには細かいトラブルもそれなりにありました。REST APIの認証に沼ったり、Cloudflareの教科書を作りながらCloudflareのキャッシュを踏んだり……。この辺の泥臭い話はネタが濃すぎるので、また別の記事で供養します。

100人の大学教授を雇っている感覚

実は、AIを活用するようになってから、ずっと感じていることがあります。それは「大学教授を100人雇っているみたいだ」という感覚です。

ネットワークのこと、カメラとRAW現像のこと、NASのこと、プログラミングのこと、文章の書き方のこと。どんなジャンルの質問を投げても、その道に詳しい”教授”が出てきて教えてくれる。「もっと初心者向けに」と注文すれば嫌な顔ひとつせず言い直してくれて、深夜だろうが早朝だろうが、こちらの理解のペースに完全に合わせてくれる。あらゆる分野の専門家が、研究室のドアをいつでも開けて待ってくれている状態です。

そして今回の教科書作りは、その感覚が確信に変わった出来事でした。質問に答えてもらうだけじゃない。「この分野を体系的に学びたいので、カリキュラムを組んで、教科書を書いて、図版も用意してください」——そんな無茶な発注まで、教授たちは受けてくれたわけです。参考文献(公式ドキュメント)の確認までセルフサービスで。

ひと昔前なら、体系的に学びたければ書籍が出るのを待つか、高額な研修を受けるか、独学で断片情報をつなぎ合わせるしかありませんでした。それが今や、「自分専用の教科書を発注して、2日で納品してもらう」ことができてしまう。月々の利用料は、教授1人どころか、参考書数冊分です。

学びたいことがあるのに教材がない——この、これまでなら諦める理由になっていた壁が、AIの登場で「じゃあ作るか」の一言に変わった。これはもう、学び方の次元が違います。

こんな時代に生きててよかった〜〜!!

2日間の内訳:仕組みの日と、量産の日

ちなみに「2日で50ページ」の内実を明かすと、1日目と2日目はまったくの別物でした。

1日目は「仕組みを作る日」。ルールブックを書き、図のパイプラインを整え、投稿を自動化する。トラブルはほぼ全部この日に起きて、公開できたのは数ページ。2日目は「量産する日」。確立したワークフローがただ淡々と回り、章がまるごと数時間で公開されていく。新しい問題はゼロ。気づけば、律速は完全に僕のレビュー速度でした。AIの生産力に人間の確認が追いつかないという、贅沢すぎる悲鳴です。

つまり「50ページを2日で」の正体は、「1日かけて作った仕組みが、2日目に50ページ分回った」。AIとの共同作業のコツは、この”仕組みの日”を惜しまないことに尽きると思います。

まとめ

  • Cloudflareを体系的に学びたいのに教材がない→「自分専用の教科書」をAIと作って公開しました(Cloudflare完全ガイド・9章50ページ・約23万字=新書2冊分・制作期間2日)
  • 学びたいことを自分でメディア化すると、自分の学び方に完全に合わせられて、他の誰かの教材にもなります
  • 教科書は読むより作るほうが頭に入ります。AIの原稿をレビューすること自体が最高の授業でした
  • 仕組みはルールブック+進捗表の2ファイル。「次のページを作って」の一言で回ります
  • AIを使う日々は、100人の大学教授を雇っている感覚。学びたいのに教材がない時代は終わりました
  • 投稿は「下書きのみ」の安全設計から始めて、実績を見て公開まで自動化しました。人間の役割は運用とともに変わっていきます

完成した教科書はこちら

そんなわけで、出来上がった僕専用の教科書がこちらです。

Cloudflare完全ガイド|入門から実践まで

「Cloudflareとは?」から始まり、DNS・CDNといった前提知識、セキュリティ、Zero Trust、Workersでの開発、そしてAIサービスまで。9章・全50ページを、上から順に読めば体系的に理解できる構成にしています。

「なんだ、50ページか」と思いませんでしたか? 総文字数を実測したら約23万字ありました。新書1冊が10万〜13万字程度なので新書およそ2冊分、図版込みで紙の技術書に組めば300ページ超級の分量です。Webの「50ページ」、侮れないんです。

🔍 Kay’s Check:実測値は229,828文字(空白除く・フロントマターやコードブロックは除外)。1ページ平均で約4,500文字、最長はトラブルシューティングの約7,700文字でした。これを2日で書き上げる相棒、改めて化け物です。

自分専用に作ったとはいえ、手前味噌ながらかなり分かりやすくできていると思うので、「Cloudflare、名前は聞くけどよく分からない」という方は、ぜひ第1章から読んでみてください。みなさんの教材にもなれたら、これほど嬉しいことはありません。

締めの一言

みなさんにも「いつか腰を据えて学びたい」と思いながら、ちょうどいい教材が無くて後回しにしているテーマ、ありませんか?

その「いつか」、自分専用の教科書をAIに発注するところから始めてみてください。学びのスタイルを教材に合わせる時代から、教材を自分に合わせる時代へ。こんな時代に生きている僕たちが、それを使わない手はないですよ。

※本記事の情報は2026年8月時点のものです。

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