ツールという概念

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10秒でいうと

ツールは、Claudeに渡す手足です。Claudeが自分で実行するのではなく、
「これを使いたい」と申告し、実際に動かすのは外側の仕組み
です。

エージェントが「実行」できるのは、道具を持っているからです。この道具のことをツールと呼びます。

Claudeは自分では動かない

ここが仕組みを理解する上で一番大事なところです。Claudeがファイルを直接いじっているわけではありません。

実際の流れはこうです。

  1. こちらが「使ってよい道具の一覧」を渡す
  2. Claudeが「この道具を、この引数で使いたい」と申告する
  3. 外側の仕組みが実際に実行する
  4. その結果をClaudeに返す
  5. Claudeが結果を見て、次を考える

つまり、Claudeと外の世界のあいだには、必ず実行役が挟まっています。この構造が、No.21の権限の話につながります。渡していない道具は使えません。

道具には2種類あります。手元で動くもの(ファイルの読み書き、コマンドの実行)と、Anthropic側で動くもの(Web検索、Webページの取得、コードの実行)。使う側から見える違いは、前者は自分の環境に触れ、後者は触れないことです。

どんな道具があるか

大きく4つに分かれます。

読む。ファイルを開く、Webページを取得する、検索する。いちばん安全な道具です。何かを壊すことがありません。

書く。ファイルを作る、書き換える。ここから取り返しがつかなくなり始めます。

実行する。コマンドを動かす、コードを走らせる。できることの幅がいちばん広く、危険もいちばん大きい。

外とやりとりする。メールを送る、APIを叩く、システムに登録する。外に影響が出ます。

見積書の仕事なら、「PDFを読む」「Excelファイルを書く」の2つで足ります。必要な道具だけ渡すのが基本です。

いつ道具を使うか

Claudeは毎回、道具を使うか直接答えるかを自分で決めています。公式ドキュメントによれば、依頼がその道具の説明に合っていて、かつ答えが手元にないときに道具を呼びます。

だから、道具の説明文がそのまま精度になります。「ファイルを読む」より「指定したパスのPDFを読み、テキストを返す」のほうが、使うべき場面が絞り込まれます。

呼んでほしいのに呼ばないときは、指示で寄せられます。「答える前に、ツールで調べてください」の一行で変わります。

引数が足りないとき、推測することがある

公式ドキュメントが明記している挙動で、知らないと事故になります。

道具に必要な情報が指示に含まれていないとき、Claudeは値を推測して埋めることがあります。「天気を教えて」とだけ言われて場所の指定がないと、適当な都市を入れて実行する、という形です。

深く考えるモデルほど「足りません」と聞き返しやすく、速いモデルほど推測しやすい傾向がある、とも書かれています。

見積書の仕事に引きつけると、「保存先を指定せずにファイルを書かせる」のは危ない、ということになります。書き込み先や送信先は、必ず明示してください。

💡 ちょっと面白い話

道具を渡すと、その説明文自体がトークンを消費します。道具の名前・説明・引数の形式が、毎回プロンプトに載るためです。公式の料金表には、道具を使えるようにするだけで数百トークンが加算されると書かれています。道具は持っているだけでコストがかかる、という意味で、これも本物の道具箱と同じです。

やってみよう:道具の説明文を書いてみる(5分)

実際に動かす必要はありません。説明文の書き方を体感するのが目的です。

プロンプト
AIに渡すツールの説明文を書く練習をします。
「社内の見積書フォルダから、指定した会社のPDFを1つ読む」という
ツールの説明文を書いてください。そのあと、その説明文だと
どういう場面で誤って呼ばれそうか、弱いところを3つ挙げてください。

期待される結果:説明文と、その弱点が3つ返る。「会社名が曖昧なときにどれを選ぶか決まっていない」のような指摘が出る。

うまくいかないとき:弱点が出てこないなら、「意地悪な使われ方を想定して」と足してください。道具の説明は、正しく使われる場面より誤って呼ばれる場面を想像して書くほうが良くなります。

つまずきポイント

道具を多く渡せば賢くなると思ってしまう。選択肢が増えるほど、選び間違えます。トークンも増えます。その仕事に要る道具だけを渡してください。

実行できることと、実行してよいことを混同する。道具を渡した時点で、Claudeはそれを使えます。使ってよい範囲は、別に決める必要があります。それがNo.21です。

結果を確かめずに次へ進ませる。道具が失敗したのに、Claudeがそれらしく話を続けることがあります。エラーが出たら止まる設計にしてください。

まとめ

  • Claudeは道具を申告するだけ。実際に動かすのは外側の仕組み
  • 道具は読む・書く・実行する・外とやりとりするの4つ。後ろほど危険
  • 引数が足りないと推測で埋めることがある。書き込み先や送信先は必ず明示
  • 渡すのは、その仕事に要る道具だけ

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※本記事の情報は 2026年8月時点のものです。

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