10秒でいうと
作るのは、前より確実に速くなりました。
難しいのは、公開したあとに続けることです。そこは変わっていません。
第10章の締めくくりです。ここまでのページを1本につないで、0から公開までを通します。
全体の形

決める → 小さく作る → 公開する → 直す。そして戻ります。
いちばん多い失敗は、決めることに時間をかけすぎて、公開に到達しないことです。
決める
何を作るかは自分で決めてください(第3章No.22)。ただし、決めた内容を検査させるのは有効です。
(作りたいもの)を作ろうと思っています。
・誰の、どういう場面の、何を解決するものか、私の説明から読み取って書き直してください
・その説明で曖昧な部分を3つ
・「これは要らないのでは」と思う機能を3つ
・最小で価値が出る形を1つ
賛成意見は要りません。
(自分の考えを書く)
1つ目が効きます。自分の説明を他人の言葉で返されると、伝わっていない部分が見えます。
要らないのでは、を3つ出させるのも大事です。個人開発は、削る決断がいちばん難しい。
小さく作る
第5章の型そのものです(No.37)。調べる → 計画する → 実装する → 検証する。
個人開発で特に効くのは、最初に CLAUDE.md を書くことです(No.38)。
このプロジェクトの CLAUDE.md を作ってください。
・何を作っているか(1段落)
・完成の定義
・意図的にやらないと決めたこと
・使う技術と、その選択の理由
コードから読み取れることは書かないでください。
まだコードは書かないでください。
やらないと決めたことを最初に書いておくと、途中で機能を足したくなったときに立ち止まれます。
そして作業前にコミット(No.39)。巻き戻せない経路があります。
公開する
ここで止まる人が多い。理由はたいてい、まだ完成していないからです。
完成しません。公開してから直すほうが速いし、直すべき場所も分かります。
公開の前にやることは3つだけです。
動くことを確かめる。自分の環境以外で1回。
壊れたときに気づける形にする。エラーが自分に届くか。届かないなら、静かに壊れます(第7章No.55)。
個人情報を扱うなら、その扱いを決める。何を保存し、どこに置き、誰が見られるか。第11章のNo.78を読んでから公開してください。
APIを使うなら
自分のサービスにClaudeを載せるなら、費用の設計が事業の設計になります(第7章No.53、No.55)。
- 1人が使いすぎたときに止まる仕組み
- 支出の上限
- 使用量の記録
個人開発でいちばん怖いのは、想定の何倍もの請求です。上限を設けてから公開してください。
直して回す
公開後にやることです。
公開してから集まった声を整理してください。
・実際に困っている点と、要望を分けてください
・同じことを言っている複数の声はまとめて
・私が想定していなかった使われ方があれば指摘して
・優先順位は付けないでください。私が決めます
(集まった声を貼る)
想定していなかった使われ方が、いちばん価値のある情報です。
続けるための仕組み
個人開発で本当に難しいのは、続けることです。技術ではありません。
効いたもの。
次にやることを、その日のうちに書いておく。1週間空くと、何をしていたか分からなくなります。セッションの終わりに、次の一手を書かせてください。
今日やったことと、次にやることをまとめてください。
・次の一手は1つだけ。具体的に
・そのとき参照すべきファイルも
・NEXT.md に書き出してください
手を離す前に書くのがコツです。次に開いたとき、迷わずに始められます。
壊れていないことを定期的に確かめる。使われているサービスは、放っておくと壊れます。確認を仕組みにしてください(第5章No.43)。
このガイド自体も同じでした
87ページのガイドも、個人開発と同じ形で作られています。
決める(構成を先に固める)→ 小さく作る(第1章は1ページずつ)→ 公開する(章ごとに)→ 直す(読んでもらって構成を変えた)。
実際、第1章を公開したあとに構成を変えました。冒頭に要約を足し、重複していた節を削りました。11ページ分の手戻りで済んだのは、早く公開したからです。
先に完璧を目指していたら、84ページ分の手戻りになっていました。
やってみよう:削るものを決めさせる(5分)
作りたいものがある方は、その内容で。
プロンプト
“`
(作りたいもの)を作ろうと思っています。・誰の、どういう場面の、何を解決するものか、私の説明から読み取って
書き直してください
・その説明で曖昧な部分を3つ
・「これは要らないのでは」と思う機能を3つ
・最小で価値が出る形を1つ賛成意見は要りません。
(自分の考えを書く)
“`期待される結果:自分の説明が他人の言葉で返り、削る候補が3つ出る。削る候補に、自分が一番作りたかった機能が入ることがあります。
うまくいかないとき:削る候補が出ないなら、「最小で公開できる形」を強調してください。
つまずきポイント
完成させてから公開しようとする。完成しません。
費用の上限を設けない。想定の何倍も請求されることがあります。
次にやることを書かずに閉じる。1週間空くと再開できません。
個人情報の扱いを決めずに公開する。No.78を読んでください。
このあとどこへ進むか
創作ルートの本編はここまでです。第1章 → 第2章 → 第3章 → 第10章と読んできた方は、Claudeを使い、任せ、つくるところまでを一通り通ったことになります。
このあとは2つの進み方があります。
- 公開して運用する方 → 第11章 セキュリティとプライバシー(No.78)。そしてNo.79 著作権と生成物の扱いは、作品を発表する前に必ず読んでください
- 仕事にも広げる方 → 第8章 事務・企画・議事録(No.56)から
第8章と第9章は用途からの実践集なので、気になるページから開いて構いません。
関連ページ
- No.38 CLAUDE.md と記憶 — プロジェクトの憲法
- No.55 自分のアプリに組み込む — 運用の設計
- No.79 著作権と生成物の扱い — 発表する前に
- No.83 本ガイドはこう作られた — 制作の記録
まとめ
- 作るのは速くなった。難しいのは公開したあとに続けること
- 削る決断がいちばん難しい。要らない機能を挙げさせる
- 完成させてから公開しない。直して回すほうが速い
- 次にやることを、手を離す前に書く
次に読む
※本記事の情報は 2026年8月時点のものです。