10秒でいうと
集計もグラフも作れますが、目で数えさせないでください。
計算はコードにやらせ、Claudeには「何を計算するか」を考えさせるのが正解です。
目で数えさせない
これが最も重要な原則です。
第2章のNo.17で書いたとおり、Claudeは正確な数え上げが苦手です。公式ドキュメントも明記しています。CSVを渡して「合計はいくつ」と聞くと、それらしい数字が返ってきます。合っていることもあれば、合っていないこともある。
正解は、コードを書かせて実行させることです。
添付のCSVについて、次を計算してください。
・目視ではなく、必ずコードを書いて実行してください
・計算に使ったコードも見せてください
・行数と、欠損があった列も報告してください
計算するもの:(ここに書く)
目視ではなくコードで、という一行を毎回入れてください。コードが動けば、結果は計算機の答えです。コードは間違うかもしれませんが、コードは読めます。
何を計算するかを相談する
Claudeが本当に強いのは、計算ではなく設計のほうです。
添付のCSVの列を見て、次を教えてください。
・このデータで答えられる問いを5つ
・答えられそうに見えて、実は答えられない問いを3つ
・データの質に問題がありそうな箇所
まだ集計はしないでください。
2つ目が効きます。「答えられない問い」を先に潰しておくと、あとで無駄な集計をしなくて済みます。
グラフ
作れます。ただし指定しないと見にくいものが出ます。
このデータから折れ線グラフを作ってください。
・軸のラベルと単位を必ず入れる
・欠損した期間は線をつながず、切ってください
・0から始めるか、途中から始めるかを明示して、理由も書いてください
・色は3色まで
3つ目が地味に効きます。軸を途中から始めると変化が大きく見えます。意図的でないなら、事故です。
第2章のNo.15のアーティファクトを使うと、その場で調整できます。
レポートにする
集計の結果を文章にするところは得意です。
集計結果から、経営会議向けの1ページを作ってください。
・結論を最初の3行に
・数字は集計結果にあるものだけ。無いものは「未集計」と書く
・傾向を述べるとき、因果と相関を区別してください
・この数字では言えないことも、最後に1項目
最後の1項目を必ず入れてください。「言えないこと」が書いてあるレポートは信頼されます。
定期化する
毎週同じ集計をするなら、章をまたいだ話になります。
- 手元のファイルが対象 → 第4章のCowork、または第5章のClaude Code
- クラウドの資料が対象 → 第4章の定期実行(No.31)
- 自分のシステムに組み込む → 第7章のAPI
定期化するときの鉄則は第4章No.31と同じです。前回との差分を必ず出させる。毎週動く集計が静かに壊れたとき、差分がなければ気づけません。
渡す前に
社外に出せないデータは、渡す前に考えてください。個人が特定できる列は落とす、金額は丸める、といった前処理が要ることがあります(No.78)。
やってみよう:コードで計算させる(5分)
手元のCSVを1つ用意してください。無ければ、適当な表計算のファイルで構いません。
プロンプト
“`
添付のファイルについて、次を教えてください。・行数と列名
・各列の欠損の数
・数値の列があれば、合計と平均目視ではなく、必ずコードを書いて実行してください。
使ったコードも見せてください。
“`期待される結果:コードと実行結果が出る。行数がファイルと一致している。
うまくいかないとき:コードなしで数字だけ返ってきたら、それは目で数えた答えです。「コードを書いて実行してください」をもう一度伝えてください。
つまずきポイント
目視の集計を信じる。いちばん多い事故です。必ずコードで。
行数を確かめない。ファイルが途中までしか読まれていることがあります。行数の一致は最初に確認。
軸を勝手に切ったグラフを使う。変化が大きく見えます。意図がないなら0から。
因果と相関を混ぜる。レポートで最も指摘されるところです。
関連ページ
- No.17 ファイル・画像・PDFを渡す — 渡し方と苦手なこと
- No.31 定期実行とリモート操作 — 定期化の設計
- No.49 実践:市場データとチャートをつなぐ — 検証の作法
まとめ
- 目で数えさせない。計算は必ずコードで
- 強いのは計算ではなく、何を計算するかの設計
- グラフは軸・単位・欠損の扱いを指定する
- レポートにはこの数字では言えないことを必ず入れる
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※本記事の情報は 2026年8月時点のものです。