10秒でいうと
日本語は敬語の段階が多く、社内用語も通じません。
文体は例文で指定し、社内用語と訳語は先に渡す。これだけで手直しがかなり減ります。
Claudeは日本語をよく扱います。ただ、日本語には英語にない揺れ方があり、そこだけは意識して指示したほうが手直しが減ります。
文体は、説明より例文で
「丁寧に」「ビジネス文書として」は、書き手によって指す幅が違います。日本語の敬語は段階が多く、社外向けと社内向けでも、業界によっても違います。
一番速いのは、手元にある過去のメールを1通貼ることです。
次のメールと同じ文体で、納期遅延のお詫びを書いてください。
(過去に自分が送ったメールを貼る)
説明を10行書くより正確です。No.11の「例を1行見せる」と同じ話が、文体にも当てはまります。
貼れるものがないときは、やめてほしいことを具体的に書くほうが通ります。
・「〜させていただきます」を使わない
・二重敬語にしない
・1文は60字以内
社内用語は先に渡す
Claudeは、その会社の中でしか通じない言葉を知りません。当然ですが、知らないまま、それらしく解釈します。
見積書の例でいうと、「甲」「乙」「先方」「本件」あたりは文脈で読めますが、社内の略号や商品コードは読めません。放っておくと、勝手に一般的な意味で解釈されます。
対策は単純で、先に一覧を渡すことです。
社内の言い方です。この意味で読んでください。
・A見積:初回提示の見積
・確定納期:先方の検収日ではなく、当社出荷日
(以下、資料)
毎回貼るのが面倒になったら、プロジェクト機能(No.14)に置いてください。
訳語を揃える
英語の資料を訳させるとき、同じ単語が場所によって違う訳になることがあります。1回のやりとりでは揃っていても、日を分けて頼むとずれます。
対策は、訳語の対応表を先に渡すことです。
次の対応で訳してください。表にない語は英語のまま残してください。
・lead time → 納期
・unit price → 単価
・PO → 発注書
表にない語は英語のまま残して、と足すのが要点です。こうすると、勝手に訳された語が目立つので、対応表に足すべき語が見つかります。
本ガイド自身も同じことをしていて、訳語はNo.84の用語集に集約しています。
英語で聞いたほうが速い場面
日本語で使うのが基本ですが、英語のほうが向く場面が2つあります。
技術的な調べもの。エラーメッセージ、ライブラリの仕様、規格の名前。元の情報が英語で書かれているものは、英語で聞いたほうが答えが正確になりやすい。日本語で聞くと、訳された情報をさらに訳し戻すことになります。
長い資料を大量に処理するとき。No.03で書いたとおり、日本語は英語のおよそ2倍のトークンを使います。同じ内容なら、英語のほうが上限に当たりにくく、費用も安くなります。
ただし、答えは日本語で返させて構いません。
以下の英語のエラーについて、原因と対処を日本語で説明してください。
質問を英語にする必要はなく、資料が英語ならそのまま渡すだけで十分です。訳してから渡すと、訳の段階で情報が落ちます。
やってみよう:自分の文体を覚えさせる(3分)
過去に自分が書いたメールを1通用意してください。社外向けが望ましいです。
プロンプト
“`
次のメールを読んで、私の文体の特徴を5つ挙げてください。
そのあと、同じ文体で「来週の打ち合わせを一週間後ろに動かしたい」
という依頼のメールを書いてください。(メールを貼る)
“`期待される結果:特徴が5つ挙がり、そのあとのメールが自分の書き方に近い。
うまくいかないとき:似ていないと感じたら、挙がった5つの特徴のうち違うものを指摘してください。「3つ目は違います。私は箇条書きを使いません」のように直すと、次から反映されます。
つまずきポイント
自然な日本語で、と頼む。何が自然かは人によって違うので、ほとんど効きません。やめてほしい表現を挙げるほうが確実です。
訳語のずれに気づかない。同じ資料の中では揃っていても、日を分けると変わります。長く使う訳語は、会話の外に置いてください(No.14、No.16)。
丁寧すぎる日本語で指示する。指示は敬語でなくて構いません。「〜してください」で十分です。丁寧に書いても結果は変わらず、条件が埋もれるだけです。
まとめ
- 文体は説明せず、過去の自分の文章を1通貼る
- 社内用語と訳語は先に渡す。毎回なら会話の外へ
- 元が英語の資料は、訳さずそのまま渡す。答えは日本語で構わない
次に読む
※本記事の情報は 2026年8月時点のものです。