10秒でいうと
コンテキストウィンドウは、Claudeの作業机の広さです。机に載っているあいだは見えますが、載りきらなくなった分は古いものから見えなくなります。
長い会話で話がずれるのは、これが理由です。
長く会話していると、「さっき言ったことを忘れている」と感じる場面が出てきます。指示したはずの書式が崩れる。渡した資料の内容が抜ける。名前を間違える。
これは不具合ではなく、コンテキストウィンドウという仕組みから来ています。一度に見ていられる範囲には限りがあり、そこに載りきらなくなった分から、順に見えなくなっていきます。
作業机の広さ
いちばん近いたとえは作業机です。

机の上には、いまの指示、これまでのやりとり、渡した資料、途中で決めたことが載っています。机に載っているあいだは、いつでも参照できます。新しい書類を置くたびに場所は狭くなり、入りきらなくなると古いものから外に出ていきます。
出ていった書類の中身は、もう読めません。だから「さっき言ったこと」が抜けます。忘れたのではなく、最初から見えなくなっているというほうが近い状態です。
大事なのは、机の広さは会話の長さで決まるということです。短いやりとりを何度もしても狭くなりません。1つの会話を延々と続けたときに狭くなります。
どれくらいの広さがあるか
2026年8月時点で、公式ドキュメントに載っている数字です。
| モデル | コンテキストウィンドウ |
|---|---|
| Claude Fable 5 | 100万トークン |
| Claude Opus 5 | 100万トークン |
| Claude Sonnet 5 | 100万トークン |
| Claude Haiku 4.5 | 20万トークン |
100万トークンは、公式の説明ではおよそ55万5千語、250万文字にあたります。かなり広く、日常の会話で使い切ることはまずありません。普通に使っていて狭さを感じるのは、大量の資料を貼ったときと、何日も同じ会話を続けたときです。
なお、この数字は変わります。No.07とNo.08の数値も含め、最新は公式ドキュメントで確認してください。
超えるとどうなるか
いきなりエラーで止まるとはかぎりません。古いやりとりを要約して縮める動きが入ることがあります。英語ではcompaction、本ガイドでは圧縮と呼びます。
圧縮されると、会話は続けられますが、細部は落ちます。最初に決めた細かい書式、途中で否定した案、固有名詞の正確な綴り。要約に残らなかったものは、なかったことになります。
「さっきと違うことを言い出した」と感じたら、たいていここです。
やってみよう:会話を引き継ぐ(3分)
長くなってきた会話を、新しい会話へ移すときの型です。
プロンプト
ここまでのやりとりを、別の会話で続けられるようにまとめてください。
決まったこと、まだ決まっていないこと、守ってほしい書式の3つに
分けて、箇条書きでお願いします。期待される結果:3つの見出しに分かれた箇条書きが返る。それを新しい会話の1通目に貼れば、続きから始められる。
うまくいかないとき:まとめが長すぎるなら「合計20行以内で」と足してください。長い引き継ぎは、新しい机をいきなり狭くします。
つまずきポイント
広ければ広いほどよい、と思ってしまう。机が広くても、書類が散らかっていれば探しにくいのは同じです。関係のない資料を大量に置くと、大事な部分が埋もれます。広さと精度は別の話です。
1つの会話をずっと使い続ける。便利に見えますが、話題が変わったら分けたほうが結果は安定します。No.06で扱います。
忘れたかどうかを聞いて確かめようとする。見えなくなったものについては、見えていないこと自体をうまく答えられません。確かめるより、大事なことは会話の中で言い直すか、別の場所に置くほうが確実です。
応用のヒント
長く使う前提の指示や資料は、会話の中ではなく外に置くのが定石です。プロジェクト機能に資料を置く、メモリに覚えさせる、CLAUDE.mdに書く。置き場所の違いはNo.05にまとめました。
関連ページ
- No.03 トークンとは何か — 広さを測る単位
- No.05 AIは何を覚えていて、何を覚えていないのか — 会話の外に置く方法
- No.06 チャットの分け方・育て方 — 分けるタイミング
- No.24 コンテキストを設計する — 詰め込まない技術
まとめ
- 一度に見ていられる範囲。忘れたのではなく、見えなくなっている
- 超えると圧縮が入り、要約に残らなかった細部は落ちる
- 大事なことは会話の中ではなく、外に置く
次に読む
※本記事の情報は 2026年8月時点のものです。